黒い仏

黒い仏 (講談社文庫)

黒い仏 (講談社文庫)

超斬新!!この発想は無かった。笑っちゃうね。
名探偵・石動戯作シリーズ第2弾。なんだけど、これをミステリーだと思って読み始めると痛い目に遭う気がする。もしくは望外の収穫に大喜びするか。幸運にも私は後者でしたよ。

名探偵・石動戯作への依頼内容は、唐代の僧・円載が大陸から持ち帰った宝を福岡の安蘭寺の何処かから探し出して欲しいというもの。で、石動と助手のアントニオは福岡まで行って宝探しをする訳だけれども、石動が依頼を受けるのと並行して福岡で殺人事件が起きていた。その殺人事件の容疑者として捜査線上に上がってくる(日本語おかしい?)のが先述の石動への依頼人。ところが依頼人には、犯行時刻の直後に東京で石動と会っていたというアリバイがあった。アリバイ工作に利用されたのに怒った石動は依頼者のアリバイトリックを暴こうとして、何やかやで暴きます。で、その後が凄い。

石動戯作には悪いけど、これは大笑いだよなー。探偵(と刑事)はミステリ世界で勝負しているのに、他の事件関係者がコズミックホラー世界の住人なんだもん。これ以上何を書いてもネタバレになりそうだから書かないけど、こういう、自分の発想を完全に越えたところから切り込んでくる作品に出会うと嬉しくなってしまうなー。ありがとうございました。