境界の発生
- 作者: 赤坂憲雄
- 出版社/メーカー: 講談社
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クリスマス・カロル
- 作者: ディケンズ,村岡花子
- 出版社/メーカー: 新潮社
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大沢さんに好かれたい。
- 作者: 桑島由一,放電映像
- 出版社/メーカー: 角川書店
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あと10日しかないけど間に合うかなー 『美術検定 1級・2級 美術実践キーワード88 改訂版』
- 作者: 「美術検定」実行委員会
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 2008/06/26
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熊怖い、超怖い 『羆嵐』
- 作者: 吉村昭
- 出版社/メーカー: 新潮社
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当然面白い 『ゴールデンスランバー』
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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伊坂作品の世界観の何処が暗いかというと「結局のところ世界の枠組みはどうにもならない、どうにもできない」というところ。具体的に挙げると、デビュー作の『オーデュボンの祈り』で言うところの「神様のレシピ」、最近では『モダンタイムス』における「システム」、そして本作『ゴールデンスランバー』で「巨人」に例えられる存在。世界はそういうものによって一方的に規定されていて、個人の力ではどうにもならない。それに立ち向かった人物として『魔王』の安藤がいるけれど、彼はそのことによって死んでしまった。彼の遺志を受け継いだ弟は結局「システム」を認め隠居したし、彼を殺した犬養も結局は「システム」の一部として動かされているに過ぎなかった。あと、他の例としては『終末のフール』での「3年後に世界が滅びる」とか『死神の精度』の「可」とかもそうだし、変わり種では『重力ピエロ』の「遺伝子」とかもそうかもしれない。まあ、春は打ち勝つ訳だけれども*1。
そんなこんなで世界観が暗いって話をしたので次は読後感が明るいって話をします。因みに読後感ってのは当然人それぞれだからあくまで私は明るいと思うと言う話です。で、何で明るいかというとそのキーワードはずばり「達成感」だと思う。『魔王』の主人公・安藤が敗北して死んだのにも関わらず一種爽やかな読後感を感じるのは何故かというと最期の瞬間まで自分の信念を貫き通したからだし、『ゴールデンスランバー』の主人公・青柳雅春が敵の正体を知ることもできず何もかも捨てて逃げる羽目に陥ったのに何故ああいう開放感を感じる物語だったかというと「よくできました」な生き方をしたからに違いない。世の中は巨大なものに規定されているけれども、それでも何かを達成できる。そういうことが書いてあるから伊坂作品の読後感は明るい。で、そういうことを書くのに効果的なのが伊坂幸太郎の作風の特徴の一つである見事な伏線だと思う。この世には立ち向かいようのない枠組みがいつの間にか作られているけれども、いろんな人間が一生懸命動き回ったり素敵な偶然がいくつか重なったりすることでその枠組みをすり抜けて何かを成すことができる。世界に対してはそんなに希望は持てないけれども、人生に対しては希望を持てる。そういうところが読後感が明るい所以だと思う。
思うままに何やかやいろいろ書いて結局のところ結論は何かというと、「世の中はままならないけれども人生そんなに悪くないよ」ってことが読み取れる伊坂幸太郎作品が大好きですってことです。おやすみなさい。
*1:そこが『重力ピエロ』が伊坂作品の中で異彩を放っている理由なのかなあ。
勉強、始めました。 『美術検定公式テキスト 西洋・日本美術史の基本』
- 作者: 美術検定実行委員会,原田光、堀元彰
- 出版社/メーカー: 美術出版社
- 発売日: 2008/08/08
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