黒猫/モルグ街の殺人
- 作者: ポー,小川高義
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/10/12
- メディア: 文庫
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以下各論。
「黒猫」
猫を良心の象徴だとすると、罪を犯した人間の良心の呵責とそれを認めたくない気持ちのせめぎあいが読み応えがある。
最後の場面の印象は強烈。
「本能vs.理性―黒い猫について」
高度に発達した本能は理性と見分けがつかない。
「アモンティリャードの樽」
最後のセリフはどういうことなんだろう。
「告げ口心臓」
これぞ狂気!!
「邪気」
駄目だと言われるとやりたくなってしまう。っていうのを突き詰めたような話。
話し手が葛藤しているのを見て、読んでるこっちとしては「まさかやらないよね」「流石にそれはないよね」「いくらなんでもそんなことは……」「やっぱりやったー!!」みたいな感じだった。もはやコントじゃん。
「ウィリアム・ウィルソン」
ファイトクラブ。こういうネタ見るたびに思うんだけど、傍から見てる人間はどう思っているんだろう。この手の作品は主人公の一人称目線だから、他人のリアクションも自分に都合がいいように無意識に修正してから読者に語っているって解釈でいいのかな。
「早すぎた埋葬」
序盤は雑学、中盤ホラー、ラストはさわやか。なんじゃこりゃ。
「モルグ街の殺人」
ご存じ推理小説の元祖。……なんだけど、この真相は今の時代だと許されないだろうな−。