フリッカー式

フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)

フリッカー式 <鏡公彦にうってつけの殺人 > (講談社文庫)

先の展開が気になるからぐいぐい読まされるんだけど解決パートがちょっと……。設定やら真相やらを犯人が延々語り続けるってのはどうなんだ。

その設定や真相はネタ自体はエキセントリックで非常に面白いんだけど、そんな珍妙なのをたいした伏線もなしに出してくるのは考え物だと思うよ。正直言って面食らった。「身内にロボットの研究をしている人間がいます(伏線)→実は殺されたのは人造人間でした。強姦した人間も気付かないくらい精巧なね」。無茶言うなよ。舞台が未来ってわけでもあるまいし。まぁ、そうやって戸惑わされる感覚も面白いと言えば面白かったんだけどさ。

オチのアレもどういう解釈をするべきなのかさっぱりだなー。その話必要なの?ラストまで読んだ印象では、この作者は何か意図があってあの話を入れる人なんだと思うんだけど、私の脳味噌では理解できませんでした。

釈然としないものがあるとは言え、こうやってウダウダ語りたくなるってことは楽しめたってことなんだろうな。ありがとうございました。