ライト、ついてますか―問題発見の人間学

「多くの場合に、問題を解決すること(ないし解消すること)は取るに足りない作業である。ひとたび問題は何であるのかわかってしまえば。」(p137)

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学

問題の把握の仕方や解答について教訓めいたものやエピソードが書かれている。ユーモアというべきか冗漫と言うべきか判断に困る文章はちょっと読みづらかったけど、内容は非常に興味深かった。

問題を解決するためには、まず問題がどういうものであるか認識しなければいけない。言われてみればあたりまえのことだけれども、こういうことを改めて考える機会が今までなかったから新鮮だった。これまで何か問題らしきものに出会った時、それがどういう問題なのかあまり分析せずにとりあえず解答をだそうとしてきたが、そういう態度が如何に不適当だったかがよく分かった。問題の把握の仕方によっては問題の難易度も解法も、回答の良し悪しも変わってくる。

表題にもなっている「ライト、ついていますか」のエピソードは秀逸。こういう発想ができる人間になりたい。

真に問題を抱えているのは誰か、問題の本質は何か、その問題を解くことにどれほどの価値があるのか、等等、問題について多角的に考える必要がある。「問題」というものに対する意識を変えることができました。ありがとうございました。