加山又造展

国立新美術館で3月2日まで開催中の加山又造展に行ってきました。


概要
http://www.kayamaten.jp/
加山又造(1927〜2004)は現代日本画を代表する画家の一人。この展覧会では、絵画や工芸品など合わせて約100点の作品を展示。
展示構成。
第1章 動物たち、あるいは生きる悲しみ
第2章 時間と空間を超えて
第3章 線描の裸婦たち
第4章 花鳥画の世界
第5章 水墨画
第6章 生活の中に生きる「美」


感想

国立新美術館はうちの大学の学生証なら学生料金でさらに団体料金で入れるから嬉しい。加山又造は名前ぐらいは知っているけど、作品をがっつり見たことはなかった。結構混んでた。以下、とりとめのない感想。

第一章。初期の作品?この辺りは西洋画っぽかった。「寒林群鴉」や「木枯」の吸い込まれていきそうな感じが良かった。

第二章。日本画の特徴として、四季の自然や花や鳥が同一画面にまとめて書き込まれている点があるとか。言われてみれば確かに西洋画でそういうのはあんまり見ないな一つの画面に桜と紅葉が描かれていたり、雪月花が全部ぶちこまれていたりするのは豪勢だった。このほかにもこのゾーンには、雲の合間に見える山とか琳波風の扇とか天の川とか千羽鶴とか壮観な屏風絵をたくさん見られて楽しかった。

第三章。裸婦。加山又造は浮世絵の美人画の線を理想としていたとか。んー、このエリアはあんまり好きになれなかった。顔がいかついよ。

第四章。このブロックが一番好み。「彌生屏風」の蝶の群れがつくりだす模様とか、「満月光」の月明かりの下で奥にそびえる山を背景に手前で草花が風に揺らめく様子とか、いろいろ気にいったのがあったけど、一番は「夜桜」。闇の中浮かび上がる桜が神秘的だった。

第五章。水墨画は何度見てもえもいわれぬ魅力があるなー。何なんだろう、あれは。色なし白黒濃淡のみの絵だと、上手い人の絵の凄さがダイレクトに伝わってくる。中でも月光波濤」が良かった。月明かりの下の波飛沫が美しい。今気付いたけど、暗がりの中浮かびあがる何かって構図が好きなんだな自分は。

第六章。陶器や着物の絵付け、ジュエリーのデザインとか民芸的な。多彩な人だ。こういう食器とか着物欲しい。でも高いんだろうな。はなびらのジュエリーとかはそれ単体では滅茶苦茶綺麗だったけど、あんなの実際につけて似合う人とかいるんだろうか。


一人の作家の展覧会なのにいろんなジャンルの美術品が見れて楽しかった。フォトショップで描いた絵まであるとは思わなかった。
心に残る作品にたくさん出会えました。ありがとうございました。