みんな真面目だなあ 「マイガール 4」

マイガール 4 (BUNCH COMICS)

マイガール 4 (BUNCH COMICS)

本の帯にドラマ版で主演をしている相葉雅紀の写真が印刷されてるんだけど、これはちょっと残酷だよね。相葉雅紀はまあまあいい男なんだけど(何様だ俺は)佐原ミズの画と並べられると残念ながら残念なことになる。これが2次元と3次元の間の越えられない壁か。現実とはかくも過酷なものよ。

ところで内容の話をしますと、片桐さんが可愛かったです。その可愛さは私の五臓六腑に染み渡りました。勿論コハルちゃんは可愛らしいし陽子さんは素敵でそれらも非常に結構なんだけど、片桐さんの懸命さというか愚直さが好印象。この3人に限らず題材が題材だけにこの作品の登場人物はみんな真面目なんだけど、ほとんどの人間が探り探り生きてるんだよね。その中で片桐さんだけが自分の幸せに関するビジョンを持っている。書きながら今思いついたことには片桐さんは自分の幸せを求めてるから他の人物とは違った輝きを放っているんだよな。対して他の登場人物は自分以外の人の幸せを求めている気がする。子供のために〜とか親のために〜とか。そこがこの作品の登場人物達の魅力でもあるんだけど、それは結論とか正答とかが無い道だからどうしてもトライアンドエラーや試行錯誤を繰り返し自分の気持ちを押し殺したりねじ曲げたりする迂遠な道になる。そんな中で、自分の衝動に従って気持ちをストレートに伝える片桐さんはやっぱり輝いている。

同じ理由で小春ちゃんと秋君のブランコエピソードや正宗君と陽子さんの告白(?)エピソードも輝いていた。やっぱりパッションだよね。自分の中の押さえきれないものを、相手のために相手を思う自分のために開陳するってシチュエーションが大好きです。

ちょっと余談を書くと、久々に感想を書いたら書く前に考えていた内容と結構違うことを書いていた。雨に濡れる片桐さん可愛いって書こうとしていたのに気がついたら片桐さんと他の登場人物の比較をしていた。何でそんなことになったかというと、自分が物事を思考するときに漠然とかつ断片的に思考するからだと思う。漠然と具体とは異なるので、漠然とした考えを明文化し形を与えていくうちに当然のように当初の考えとの齟齬が生じる。そして、具体的な文章を書いていくにつれてその書いた文章から影響を受けるから以降の文章も想定されていたものから少しずつ変わっていく。漠然とした考えを具体化することによって新しい何かを得ることは考えを文章に起こすことの利点の一つなんだろうけど、できることなら思考の段階で具体的で筋道立てられた考察をできるようになりたい。う〜ん、チラ裏だ。

なにはともあれ、片桐さんには幸せになっていただきたいです。