金閣寺

「われわれが突如として残虐になるのは、うららかな春の午後、よく刈り込まれた芝生の上に、木洩れ陽の戯れているのをぼんやり眺めているような、そういう瞬間だ」(p189)

金閣寺 (新潮文庫)

金閣寺 (新潮文庫)

この作品に対して今更星五つとかつけることの意味があるのかどうかわからないけど、やっぱり星五つ。とにかく格好いい。おそらく半分も理解できていないんだろうけど、それでも感じるものはあった。

どちらも戦火に滅ぼされ得るという点に、主人公が醜い自己と美の象徴である金閣寺との共通点を見いだすのに特に痺れた。こういう滅びの美学もあるんだなあ。

そのうち再読せねば。ありがとうございました。