「山椒大夫・高瀬舟 他四編」

古典の名作をきちんと読んでおこうキャンペーンを自分の中で絶賛開催中。そんな訳で森鴎外です。

山椒大夫・高瀬舟 他四編 (岩波文庫 緑 5-7)

山椒大夫・高瀬舟 他四編 (岩波文庫 緑 5-7)

表題作の他に「魚玄機」「じいさんばあさん」「最後の一句」「寒山拾得」を収録。
一番印象に残ったのは山椒大夫。ラストの有名な「安寿恋しや〜」の件は読んだ瞬間鳥肌が立ち、そしてようやく再会できたこの親子のこれまでの人生を考えると胸が熱くなるものがあった。
それと並ぶくらい衝撃を受けたのが安寿の最期。安寿が厨子王を勇気づけて希望に向かって進み出そうとしていたはずが、厨子王を見送った直後に安寿の入水がさらりと書かれる。読んでいて頭がくらくらした。